腹式呼吸には、「クンバク」といって、息を止め、特殊な刺激を入れる完全呼吸法というものもあります。ポーズによっては、息を吸ってからクンバクしたり、吐き切ってからクンバクしたりもします。今回は基本的な完全呼吸法をご説明しようと思います。まずはお腹をへこませて、息をしっかり全部は利きりましょう。ここまでは腹式呼吸と変わりません。次に、お腹を膨らますように鼻から深く息を吸います。喉を軽く締め肛門もキュッと締めます。チャージさせるイメージでクンバク(息を止める)するのです。時間は3~6秒ほど。最後に口からお腹をへこませながらどんどん息を出します。これを繰り返すのが完全呼吸法と呼ばれるものです。クンバクする事で体内で発生するのは一種の「酸欠状態」と言えます。酸欠状態になった脳は勝手に酸素量が少なくなっていると判断し、頚動脈を大きく開いて多くの酸素を脳へ送ろうとします。それによって酸素を含んだ血液が通常以上に脳へ行きわたることになるというわけです。普段よりも多く流れ込んだ酸素によって脳はエネルギーが沢山ある状態になり活性化し始めます。つまり完全呼吸法は、腹式呼吸で得られる効果プラス脳の活性化も期待できるという事が言えます。